Menu
ライフログ
最新の記事
カテゴリ
全体 Persian note ペルシャンテースト ペルシャングッズ ペルシャの詩 他 ペルシャのエスプリ イランの街角 スキャナー押し花 デイリーライフ Special days 料理教室 Letter from Tokyo take a walk & cook 以前の記事
2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 01月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 06月 2019年 04月 more... その他のジャンル
記事ランキング
ブログパーツ
画像一覧
|
2011年 11月 06日
![]() 「占いの手紙」の封書に大きく書かれたペルシャ文字はシャケ ナバット(Shakh-Nabut)と読む。おととい書いたハーフェズ占い「占いの手紙」のつづきを今日は。 シャケ ナバットは女性の名前。さて、なぜ占いの手紙に彼女の名前が?そこにはこんなストーリーがある。 詩人ハーフェズがまだ20代の頃ナンワ(ナン屋)で働いていた。ある日、裕福な家庭にナンを届けシャケナバットに出会う。一瞬にして人生を変えてしまうような恋、彼女のあまりの美しさにくぎずけになったハーフェズはそれからというもの眠れない夜を過ごし、食事も喉を通らなくなった。追い打ちをかけるようにシャケナバットと王子との婚約を知り、苦悶の日々を送っていたが、ある日、偉大な詩人「ババクヒィ」の言葉を思いだす。(ハーフェズが生まれた1320年から遡ること270年前にバハクヒィ没)ババクヒィは亡くなる前にこんな言葉を残していた。「40日、眠らず、食わずにいれば『永遠の詩の力』と心の欲するものを手にする、、」と。この難題を達成した者は今だかつて1人もいなかったがハーフェズの決意は固かった。日を追うごとに衰えていくハーフェズの姿とはうらはらに彼の目は輝きを増し、いつしかシャケナバットの心はハーフェズへと傾いていった。そしてついに40日目の朝がやってくるとハーフェズの前に天使ガブリエルが現れ「あなたの欲しいものとは?」と尋ねた。ハーフェズは天使の美しさに驚嘆し、一時シャケナバットを忘れ、こう言った「天使のあなたがこれほど美しいのなら神はどれほど美しかろう。私は神に近づきたい。」すると天使ガブリエルはシーラーズの方向を指差してこう言った。「薬草を売るアッターのところへ行きなさい。そこで誠実に働き機が熟すのを待てばよい」 ハーフェズがアッターを訪ねるとアッターはハーフェズにこう言った。「私のもとで忍耐強く働き、詩を書き続けなさい。しかし私の事を人に話してはならない、私を詩に綴りたくなった時は私の名を「ばらの色」という言葉に置き変えるがいい」ハーフェズはこの約束を胸にアッターのもとで39年働き、ついにある日アッターに尋ねた。「私は長い間、ずっと待ち続けた。ここに至ってもまだ足らないというのでしょうか?」しかしアッターは答えた「まだその時期ではないようだ」と。この時の気持ちをハーフェズはこんな詩を残している。 苦しみとは耐えることをいう いつしかこれが私の人生なり どれほど繰り返しどれほど続くのか いいや、ハーフェズよ、何の不満があろうものか おまえの頼みではあるまいか 季節は廻り 悲しみに打たれ 血の葡萄酒を飲み干すまでは そして、アッターのもとで40年目を残すところ40日とした日にハーフェズは再び、眠らず、何も口にせず、瞑想をはじめた。そしてまたもや40日目に天使が尋ねる、欲しいものは?と。そして彼は言った。 「欲しいものはなにもありません、すべては御心のままに」と。 こうして遂に悟ったハーフェズはアッターを訪ねるとアッターは2年ものの葡萄酒を差し出し飲み交わした。 ハーフェズはこんな言葉を残している。 40年もの苦悶の月日は 2年寝かせた葡萄酒 40年の間シャケナバットへの気持ちをたくさんの詩にしたハーフェズであったが、その後亡くなるまでの8年の間は恋や愛を綴ることはなかった。しかしその8年がハーフェズの詩の真髄だとも言われる。 .
by Cafe-persia
| 2011-11-06 22:21
| ペルシャの詩 他
|
ファン申請 |
||