Menu
ライフログ
最新の記事
カテゴリ
全体 Persian note ペルシャンテースト ペルシャングッズ ペルシャの詩 他 ペルシャのエスプリ イランの街角 スキャナー押し花 デイリーライフ Special days 料理教室 Letter from Tokyo take a walk & cook 以前の記事
2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 01月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 06月 2019年 04月 more... その他のジャンル
記事ランキング
ブログパーツ
画像一覧
|
2009年 09月 10日
僕が在籍していたインドの大学の学生寮には、自炊のための古くて大きな共同キッチンがついていた。 学生は、一人で自分の食事分だけ料理をする者や、何人かで当番制にして料理する者、外食ですますものと様々だったが、ある時、隣接されたダイニングルームで食事をしていると、学生の一人が、皆でお金を出して一流シェフを雇おうと言い出した。なるほど、それはいいアイディア。全員がうなづき、さっそく一人が「僕は腕のいいシェフを知っている。」と言った。 しばらくして遠い町からシェフはやってきた。彼のための部屋も用意され、その日から白いコック帽をかぶった彼がそぐわないキッチンに立って、5つ星の腕をふるうようになった。 ある時こんな事があった。その頃僕は、大学のサッカーチームにいてメンバーの殆どが同じ寮に暮らしていた。そのチームが州の大学戦で2位になる快挙を遂げて大きな銀製のトロフィーカップを持ち帰った。寮の中の唯一の「サロン」でもあるダイニングに、銀製のカップは飾られたが、その日の夕食のテーブルに一同目を丸くした。なんと、あの銀製のトロフィーにカレーが並々とつがれているではないか。それは、快挙を祝したシェフの、粋なはからいでもなんでもなく、事情を知らない彼には単にトロフィーが適当なカレーの器に見えた結果にすぎなかった。。けれどメンバーは口々に「うまいカレーがもっとうまそうに見える」と言って喜んだ。 こうしてトロフィーカップは、毎日極上のカレーがつがれる幸せな器となった。
by Cafe-persia
| 2009-09-10 17:07
| ペルシャの詩 他
|
ファン申請 |
||