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2008年 03月 05日
やがて、シーリーンはアルマニアの女王となり、ホスローはローマ軍を率いて戦い、失った父の王座を奪い返してペルシャの王に君臨した。
そしてローマ皇帝との約束通り皇帝の娘、マリアンを妃にした。 シーリーンはアルマニア人のためにつくし、人々の信望と名声を手にしたが、ホスローを思わぬ日は1日たりとなかった。それどころか、ホスローとマリアンの結婚を知った後も、ますます思いはつのり悩み苦しんだ末に、ついに女王の座を捨てさって、幾人かのとりまきを従えてペルシャへと向かった。そしてホスローのいるマダインからほど遠い城に身を置き、人目を避けるようにひっそりと暮らし始めた。 シーリーンがペルシャにいる事を知ったホスローはシーリーンに手紙をしたため、それをシャプールに託した。シャプールが二人の城を何回かいききすると、シーリーンに会いたい気持ちを押さえきれなくなったホスローは、城に会いに来て欲しいと、手紙に綴った。しかしマリアンヘの嫉妬心をもてあましていたシーリーンはホスローへの思いとは裏腹に怒りをあらわにしてこう言った。 「妃がいる身でありながら、城に呼び寄せるとはなんということよ。」 それから幾月かたったある日、シーリーンはシャプールにある事を相談した。 「毎朝召使い達が新鮮なミルクを遠くの山から運んで来るのは心苦しい。どなたか、あの山奥から私の城までミルクの流れる水路を作っていただけないか。」 「それでは若く、力強く、すばらしく明晰な男をご紹介いたしましょう。」 シャプールは数日後ファラハットという青年を連れて、シーリーンの前に現れた。湖のような深い瞳と、品格と教養を持ち合わせたファラハットに、シーリーンはすぐに信頼をよせた。一方ファラハットは一目シーリーンを見るやいなや恋に落ちた。 それからファラハットは日夜問わず働き続け、わずか1ヶ月たらずで水路を完成させた。白い流れは城の前までたどり着くと並々とミルクをたたえた池になった。彼の仕事を見届けたシーリーンは喜んで、彼女の耳飾りをはずして彼に手渡し、それに答えるが如く、ファラハットは美し一編の詩を詩って聞かせた。 いつしかファラハットの愛は人びとの噂となり、やがてそれはホスローの耳にも届いた。激しく嫉妬したホスローは城にファラハットを呼びつけこう言った。 「2度とシーリーンに近づかぬと約束するなら欲しいものを何でも授けよう。」 しかしファラハットは、「いいえ、王様。私に欲しいものなどございません。」 その言葉に、王ホスローはファラハットのシーリーンへの揺るぎない愛を知る事となった。 彼の愛の強さを恐れたホスローはシーリーンとの結婚を認める変わり、一生かけても達成できぬであろう難題を彼に課した。それはビストン山にトンネルを掘るという大事業であった。つづく
by Cafe-persia
| 2008-03-05 15:23
| ペルシャの詩 他
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